太陽からの崇高なエネルギーが美しい宝石に流れ、一体となって光輝く。
グリーンからピンクへと移り変わるグラデーションが美しい、
k18バイカラートルマリン原石ペンダント(ダイヤ、ピンクサファイア入り)です。
このジュエリーには、忘れられないエピソードがあります。
このオーダージュエリーのご依頼は、2011年の東日本大震災が起こる数ヶ月前でした。
いつもなら直接お会いして、デザインを決める打ち合わせをするのですが、
遠方のためメールでご要望を受けたまりました。
オーダーの際にいくつか質問してみると、今回は『太陽』テーマにされたいとのこと。
どんな意味があるのでしょう?とお尋ねしたら、
『なくてはならないもの』とメールが帰ってきました。
そこで、「ご自身にとって太陽のようになくてはならなくてないものって何でしょう?」
と、再度質問を。
いただいたお答えは、『私自身が輝き、人に与えることができる人生』という言葉でした。
その言葉に、まさに太陽のような光を感じたので、デザインは太陽をイメージしたものに決定。
ジュエリーにしたいのは、光のように人を照らすような強く優しく暖かな陽の光。
その光を感じるデザインとは、どんなものが良いかとしばらく悩みました。
ある晴天の日。
何気にアトリエにのベランダに出て、バイカラートルマリンを太陽にかざしてみたのです。
光に覆われて、更に輝きを増すその姿。
一瞬でインスピレーションが湧いてきて、すぐさまそのデザインを書き留めたのです。
さっそく、画像をご覧いただいて、気に入りましたとご了承のメールが。
さて、今オーダー受けているのが終わったら、制作しょうと思った矢先。
2011年3月11日。
三陸沖を震源に国内観測史上最大のM9.0の地震が発生。
あの大震災が日本を襲ったのです。
その日から長い間、心が余震の如く揺れ動いていました。
こういう時は、いい仕事は出来ません。しばらく休みにしたのです。
半月ほど経ち、そろそろ仕事始めようと制作アトリエに。
机の上には、バイカラートルマリンのデザイン画があの日のまま置いてありました。
「これ作ってみよう」
そんな気持ちが、自然と湧いてきました。
製作は難航を極めました。何故上手くいかないかも分からず、手直しする事が何度も。
仕事の進め方に問題は無いのです。
ただ、集中しきれてなくてミスをしてしまうのです。
震災で心が揺れたまま作ろうとして、身体が拒否反応を起こしていたのです。
そんな時ふと、メールのあの言葉を思い出しました。
『私自身が輝き、人に与えることができる人生』
まさに今、日が昇ろうとしている太陽をデザインしたその思いは、
そのまま復興への願いとしての祈りそのものではないかと。
はっ!としました。このテーマに集中出来て無かったんです。
未来を見据えて、一歩前に進まなくては行けないのは自分自身。
そのことを自覚する必要があると、言われているような気持ちになったのです。
そのことに気づいたあと、時間はかかりましたが、何とか無事完成。
何とも言えない充実感に優しく包まれて、心地よい感じがしたのを覚えています。
ご依頼された方にも大変満足頂き、
そして自分自身にも励ましをあたえてくれたこのジュエリー。
今でも心に残る、バイカラートルマリンペンダントです。
作業机の上で創作しながら感じたジュエリーやパワーストーンのことを、画像と共にHP用に更新する作品の途中経過などリアルな話題をお届けします。
屋久杉ペンダントでコラボさせていただいている、屋久島の屋久杉工芸 杉の舎さんのHPです。