虹が存在するかのようなブラックオパールから放たれた神聖なプラチナのベールの光がまるで踊っているよう。
Pt900ブラックオパールリングダイヤ入りです。
このジュエリーにはこんなとっておきのエピソードが。
このホームページがオープンする前から始めていた私KENのブログ(当時のニックネームはswing☆でした)『paraibaハート&ジュエリー』のある日の記事にこんなコメントが。
「はじめまして、ブラックオパールの
ことを検索で調べていたら辿りつきました。
実は、母が形見として残してくれたブラックオパールの指輪があるのですが、近くの宝石店でリフォームの提案を頂いたけれどどうもピンと来ず、ずっと手元に置いている状態。
ふと思い出したように、自分好みのデザインないかなと探していたところに、この指輪の写真が目に飛び込んできて
「うわぁ、いいなぁ!こんな感性を持った方にアレンジしてもらえたら素敵」と思ったのです。
このリングを見たときになぜか
ドキッとしたのです。いくら他のお店の写真や、デザイン画を見てもドキッとは来なかったのに。
たぶん、この作品を作るときに
込められた心が伝わってきたからですね。
これからもそのマジカルな感性で
素敵な作品を創り出してください♪
楽しみにしています。 」
との文の最後にお見積もりなどご依頼することって可能なのでしょうか?とのご質問が。
お母様の大切な形見の品のリフォームを突然ご依頼されてこられたのにビックリ!
しかもまだホームページも出来てなく、何処の誰と公表していたわけでもない時でしたから。
まずはメールでやり取りから始めさせていただきました。
その中にリングならば中指にされたいというご要望が。
「私は指輪をつけるときは、いつも左手の中指
だけにしかしないのですが(なぜか他の指は
しっくり来ないので全然つけません)
どうやら”左手中指は、直感力を司る指”?らしいので
きっとこのオパールも何かしらのインスピレーションを
伝えようとしてくれているのかもしれません。」
送っていただいたリフォームするブラックオパールのリング画像とこの文を拝見してある言葉が浮かんできました。
「守る」そして「新たな側面を引き出す」
これはお母様からのメッセージだとすぐ感じました。
ご依頼された方に必要なメッセージを伝えるためのジュエリーなのだなということを。
「母は、社交的で友人も多く非常に華のある人でしたが
生きるための強固な意志をもちつつも、同時に
物事を受け入れる心の柔らかさも持っていました。
私にはまだその部分が欠けているのかもしれません。
この宝石はその欠けたピースを引き出してくれる役目を
もっているのかもしれません。」
ご自身もお母様からすでにメッセージを受けられているんだなと実感しました。
勿論お守り的な部分もあるでしょう。
そういえばオーダーされてから、このジュエリーに携わる時いつもお母様がサポートしてくださるような感じがありました。
私も身の引き締まる感覚を覚え、改めてきちんと心を込めてお作りしようと思ったのです。
その他にこれを身に着けるであろう場面のこととか、合わせたい服装や時計等をお知らせいただきました。
それからお母様の形見のジュエリーが他に幾つかありましたのでそれも合わせてリングに使う地金として使わせていただくことにしました。
(注・リサイクル料、作業時に削ったり磨いたりして減る地金の分は差し引かせていただいております)
さてデザインです。
まず今までメールでやり取りし、感じたご自身のエネルギーにお母様のメッセージブレンドしてラフに描いてみます。
中心から広がっていくイメージなのですが、強さの中にしなやかさを兼ね備えながら包み込んでいく感じなのです。
それからジュエリーとしてまとめながらまず元になるデザインは仕上がったのです。
何となく感じたのはお母様が気に入ったものが描けているなということ。
ただご本人のエネルギーにもう一つ何か表現出来る部分とお母様のメッセージともっと良くブレンドしたいと思ったのでそれに時間を費やしました。
その答えに繋がったのが頂いたメールを何度か読み返しているうちに気が付いたこの一文です。
「私はベリーダンスと、ストレッチを始めたことで、身体と心が次第にリンクしていきました。」
あっ、ベリーダンス!と感じ、youtubeの映像を幾つか見てみたのです。
身体の動きや衣装を見ている時、突然私にジュエリーのイメージが湧き上がりました。
それは元のデザインに見事にブレンドされたものだったのです。
そしていよいよ制作に取り掛かります。
作っているとまるでプラチナが生きているかのような美しい輝きを放ち始め私まで癒されながら作ったのを覚えております。
この製作中一番印象に残っているのは石留めでした。
ブラックオパールは硬度が低く、石を留める作業の時にはかなりの集中が必要です。
心を落ち着かせ慎重に作業を進めて最後の留めが終わった瞬間のことでした。
オパールの輝きが今までとは全く違う光を放ち始めたのです
ブラックオパールが自らその輝きを変えたように感じたのです。
まさに今、命が誕生したような。
そしてここにお母様がいらっしゃる・・喜んでいただいているのを肌で感じていたのでした。
さて、完成したリングのケースを購入しに行こうと探しに行った店舗でこんなことが。
いつも購入するケースと違うものに目線が向いてしまうのです。
木で出来たぬくもりのあるまるで家具を思わせるリングケース。
他のリングケースを買おうとしても異常に違和感が。
それに見ようとしなくてもそのケースをまた見てしまう・・気がつきました。お母様です。
仰せの通りケースもご指定のものにしました。
確かにこのリングに合うんです。
センスのある方とお聞きしていたので納得しました(笑)
こうしてお母様の形見の宝石が生まれ変わりました。
Diaは元のリングと同じくお母様の形見として渡されていたリングとペンダントから使用させていただきました。
なので宝石全て形見の品でリフォームされたリングとなったのです。
お送りした後、こんなご感想をいただきました。
「ブラックオパールのリング、無事に届きました。
このデザイン、私は大好きです。
スケッチで見ていたものが実物になって自分のもとにやってくるという感動は本当に素晴らしいもので直感を信じて、山本さんにお願いしてよかったと心から思いました。(無謀なお願い聞いてくださってありがとうございました)
そして母からのメッセージを目に見える形で伝えてくださり、感謝をしています。
私の人生の良きパートナーとしてこれからもずっとこのリングを大切にしていきたいと思います。
ジュエリーケースは開けてちょっとビックリでした。
山本さんがどんな風なケースを選んでくださったのかちょっとドキドキでしたが、一目見て大いに納得しました。
母は個性的でオシャレなモノが好きな人だったので「あ~、お母さんらしいや~。うんうん(納得)」というのが第一印象。到着してすぐ、仏前に供えて山本さんからのメッセージも母に報告させて頂きました^^
ちなみにジュエリーケースはいまキーボードを打っている目の前の画面のところにあるんですが、PCのちかくにあってもこのケースはインテリアのように自然に馴染んでいます。
温かみがありつつも、洗練されていて。
ケースまでお気遣いいただいてありがとうございます。
さすがに仕事中はリングはつけられないので、目の前にいつも置いておいて疲れたら眺めて癒されています。
(というか、正直なところ、あまりに素敵なので、見るたびに
ニマニマとしてるんですが。笑)
リングは早速、日曜日の友人の結婚式に身につけていきました。
オーダーメードのリングをお願いするというのは初めての経験でしたが、人の手で気持ちがこめられて作られた作品というのはこんなにも温かく、一緒にいて心地の良いものかと思いました。
なんというのでしょう、指輪を”はめている”という感覚ではなくて身体と一体化しているというのか・・非常に自然な感じなのです。
リングのサイド、裏の抜き(というのでしょうか?)の曲線も非常に優美で、アーティスティックなのには驚きました。
光りを取り込み、7色に輝くブラックオパールはいままでとはまったく違う輝きを放っています。
オパールもダイヤも、プラチナも生まれ変わったようにキラキラ輝いてなんだかとても嬉しそうです。思わず、キレイにしてもらって良かったね~って声かけてしまいました。」
とっても嬉しいご感想に心がじんわり暖かくなるのを感じました。
一生私の心にも残るジュエリーになるでしょう。
そしていつもサポートして下さったお母様にも感謝を。
きっとこれからもお嬢様を暖かく見守られていくのだと思います。
心を込めてお作りすることの大切さを改めて感じた今回のリフォームオーダージュエリーでした。
初めて行った海外旅行先のオーストラリアで
母が衝動買いをしてきたのは、プラチナの土台に
ブラックオパールが輝く指輪。
母は普段、アクセサリーや指輪を全くつけたりしない
タイプだったのに
”なぜだかこの指輪をみたら、
どうしようもなく欲しくなっちゃって
高かったけどつい買ってきちゃったわよ。”
と嬉しそうに話していたのを、いまでも思い出します。
そんな母が癌で亡くなったのは5年前。
形見として私に残されたブラックオパールの指輪でしたが、
リフォームする前の指輪は、サイズも大きく、デザインも
私には似合わないと感じていたので、棚の隅でずっと眠っていました。
でもある時期、「あの指輪をリフォームしたい!」という想いが
私の中に突然湧いてきて、あれこれ調べているうちにたどり着いたのが
KENさんのブログでした。
当時はまだKENさんはブログだけを運営されていたので、
どこに住んでいて、どんな方なのかも分からないし
ましてやWEB経由でリフォームの仕事を受けてくれるか
費用はどのくらいかかるのか?すらも分からなかったのに、
KENさんが過去につくった作品を一目見たときから、
”このブラックオパールをリフォームできるのは
この人しかいない"と思いました。
そして、私は無謀にもリフォームお願いします!と
頼み込んでいました。
あのときの感覚は今でも不思議に思います。
なにかの見えない力が働いていた、としか言いようの
無いご縁だった気がします。
メールでのこまめなやりとりをしながら、
次第に新しい姿に形を変えていく指輪。
いまでも、たまにその時のKENさんとのやりとりのメールを
見返すと、当時では分からなかったことを、改めてはっと
気づかされることも多くて、母はKENさんを通じて
いろいろな貴重なメッセージを届けてくれていたのだなぁと
しみじみ感じています。
KENさんの手によって完成した指輪は、
長い間、棚の奥にしまわれていた時のぼやっとした印象の石と
同じものとは思えないほど生き生きと光輝いていて、
デザインも付け心地もとても素晴らしいものでした。
腕の良い職人さんの手によって、収まるべきところに
収まると同じ素材でもこんなに違った印象になるのだと
とてもびっくりしました。
素敵な人生初のオーダージュエリーを
KENさんに作っていただくことができて本当に良かったです。
これからも大切にしていきたいと思っています。
本当にありがとうございました!
作業机の上で創作しながら感じたジュエリーやパワーストーンのことを、画像と共にHP用に更新する作品の途中経過などリアルな話題をお届けします。
屋久杉ペンダントでコラボさせていただいている、屋久島の屋久杉工芸 杉の舎さんのHPです。