時空を超えて新しく蘇るジュエリー

pt900パライバトルマリンリング
pt900パライバトルマリンリング

今年、オーダー頂いたパライバトルマリンのリングです。

 

実際には半丸上のカボッションカットになっており、

側面から観ても、綺麗に見えるよう意識して、

石を留める爪も工夫しています。

 

ジュエリーの中でも、

リングのデザイン制作は特に難しいとされています。

 

それは、ほとんどのジュエリーが平面的な表現なのに対し、

リングは立体として作る必要があるからです。

 

私の師匠でもある父は、

このリング作りについて。

 

「自分の感覚を磨け」と言って、

詳しくそのデザイン制作の方法を教えてくれたことはありません。

 

いえ、教えられないのでした。

それは直感的なものを含んでいたから。

 

横で、その作り方を観ていても、

法則性が見えてこないのです。

 

何故?と長い間思っていたのですが、

それが父の磨き上げた感覚そのものだから。

 

誰も。

真似は出来ないのです。

 

それを知って、

私は父の真似をするを止めました。

 

でも面白いものです。

 

その瞬間から何となく、

父の感覚に近いものが分かるようになったのです。

 

勿論そっくりそのままではありませんが、

勘所は見えてきたのです。

 

このリングジュエリーは、

明らかにその父の感覚も生かして作られています。

 

お客様のご要望の、

アンティーク調でオリジナリティーが感じられるもの

というテーマ。

 

それが閉じられていたドアのキーを開けたのです。

 

まさに時空を超えて父の感覚的ジュエリーが、

息子の手で新しく蘇ったのでした。

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