屋久杉以外にも眼を向けられるようになった私。
写真家らしいなと思ったのですが、
堀江重郎さんは、トレッキングツアー中、
「宝物探し」というキーワードを良く使っていました。
それは、見逃してしまうほどの小さなものだったりするけれど、
それこそが屋久島からのプレゼント。
そんな写真を撮る楽しみ方を教えて頂きながら、
幾つもの屋久島の色たちに出会うことが出来ました。
これは偶然葉が苔に挟まっていたのを堀江さんが見たものです。
ファインダー越しに観る世界は、こんなに別世界の美しさを見せてくれます。
これも陽が葉の一部に当たっていたのを堀江さんが見逃さずに。
オーブの美しさも相まって、神秘性を感じます。
蜘蛛の糸が演出してくれることで、意識がそこに留まり、
より自由な見方をするためのサポートになっています。
そんな中、ふと日陰に眼をやれば、
そこは別次元のポータルが開かれています。
驚くほど色のない世界が、この屋久島のもう一つの姿をみせてくれているようです。
ここで堀江さんは、写すものの色の温度を見分けることを
教えてくれているんだということに気がつきました。
それこそが感じるということ。
屋久島を肌で感じ、そしてそれをそのまま撮る。
やっと楽しくシャッターを切れるようになりました。
すると屋久杉を撮る自分の目線も段々と変わってきたのです